頭株あたまかぶ)” の例文
馬橋村の知識階級は野口村長と関校長が頭株あたまかぶだ。それさえ大学を出れば必ず知事になれると思っているのだから、他に話相手がない。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
加之しかのみならず、語学校時代の友人の多くは実業界に投じ、中には立派に成功して財界の頭株あたまかぶに数えられてるものもあるので
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
在京の兵をひきい、内海の賊徒を平定にったのだ。春四月から八月までかかって、海賊の頭株あたまかぶ以下三十余人を数珠じゅずつなぎにし、意気揚々と、都へ、凱旋がいせんしたときの晴れがましさは、忘れ得ない。
さもないと、あちこちの大頭株あたまかぶから、厄介やっかいな文句が出そうだ。これはどうも普通のスパイのように簡単には扱えない——そこで、第二号を取り巻いて私語ささやきを交し出す。甲論乙駁こうろんおつばく、なかなか決しない。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
しかし炭坑見学は頭株あたまかぶの人がこころよく取り計らって呉れた。それも事務員を一名つけて自動車を差し廻して貰ったのには甚だ恐縮だった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
頭株あたまかぶの数人を除いたら手もなく「親釜集おやかましゅう」連で、今なら葉書集の投書家程度であった。尤もこれらは硯友社員という条、フレーフレーと応援する旗振連中はたふりれんちゅうであった。