頬片ほつぺた)” の例文
菊池がそれを憤慨して、入社した三日目に突然、社長の頬片ほつぺたを擲る。社長は蹣跚よろ/\と行つて椅子に倒れ懸りながら、「何をするツ」と云ふ。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
菊池がそれを憤慨して、入社した三日目に突然、社長の頬片ほつぺたを擲る。社長は蹣跚よろよろと行つて椅子に倒れ懸りながら、「何をするツ」と云ふ。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うな頬片ほつぺた、何時來ても天鵞絨びろうどみてえだな。十四五の娘子めらしこと寢る樣だ。』と言つた。これは此若者が、殆んど來る毎にお定に言つてゆく讃辭ことばなので。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うな頬片ほつぺた、何時来ても天鵞絨ビロウドみてえだな。十四五の娘子めらしごと寝る様だ。』と言つた。これは此若者が、殆んど来る毎にお定に言つてゆく讃辞ことばなので。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
君、大臣になれば如何な現行犯をやつても、普通の巡査では手を出されぬ世の中ではないか。僕も看守だ、が、同僚と喧嘩はしても、まだ囚人の頬片ほつぺたに指も觸れた事がない。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
君、大臣になれば如何な現行犯をやつても、普通の巡査では手を出されぬ世の中ではないか。僕も看守だ、が、同僚と喧嘩はしても、まだ囚人の頬片ほつぺたに指も触つた事がない。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ブルツと身顫みぶるひして体を半分もたげかけると、目の前にお由の大きな体が横たはつてゐる。眠つたのか、小動こゆるぎもせぬ。右の頬片ほつぺたを板敷にベタリと付けて、其顔を炉に向けた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お定は不圖、丑之助がよく自分の頬片ほつぺたを天鵞絨の樣だと言つた事を思出した。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
お定は不図ふと、丑之助がよく自分の頬片ほつぺたを天鵞絨の様だと言つた事を思出した。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)