ひびき)” の例文
鳥の夜声とは、はっきりかわったひびきいて来る。声は、暫らく止んだ。静寂は以前に増し、冴え返って張りきっている。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
と、重く沈んだそのひびきは、霧のやうに拡つて、森から村へ、村から野原へ、鐘はゆるやかに流れて行くのでした。
女王 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
みずみずとそのつぼみをふくらめている、髪もつやつやとしてきた、うるみをおびた眼つき、鮮やかに赤く湿った唇、ちょっと手をふれても紅くなる豊かな頬、ひびきの深くなった声にまで
蜆谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そそぐひびきも聞きにしが
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)