非役ひやく)” の例文
出るくいが打たれて済んで小普請、などと申しまして、小普請入りというのは、つまり非役ひやくになったというほどの意味になります。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この時に下士の壮年にして非役ひやくなる者(全く非役には非ざれども、藩政の要路にかかわらざる者なり)数十名、ひそかに相議あいぎして、当時執権の家老を害せんとの事をくわだてたることあり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
また今を去ること三十余年、かたばんとて非役ひやく徒士かちに城門の番を命じたることあり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
非役ひやくはいもとより智力もなく、かつ生計の内職にえきせられて、衣食以上のことに心を関するを得ずして日一日ひいちにちを送りしことなるが、二、三十年以来、下士の内職なるものようや繁盛はんじょうを致し
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
非役ひやくの華族は己れを敬する者なきを憂い、朝々暮々憂いありて楽あることなし。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)