雪辱せつじょく)” の例文
「じゃア、何者なにものか、われわれの仲間なかまのものが、咲耶子さくやこをすくい、また、小太郎山こたろうざん雪辱せつじょくをしに、りこんでいったのだろうか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
覆面の名探偵青竜王は雪辱せつじょくの決意に燃えて、いかなる活躍を始めようとするのか。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その日、○軍は二年越し△軍に負けていたのを見事雪辱せつじょくした。応援団は狂喜して文字通り手の舞い足の踏むところを知らない。新太郎君も寛一君も在学中歯ぎしりをし通した丈けに嬉しかった。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
きょうを雪辱せつじょくの日となす気が——白布しらぬのにつつまれた眉に見える。りんとなって、白い炎をたてているように見える。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愛洲陰流あいずかげりゅう疋田浮月斎ひきだふげつさい雪辱せつじょくにでたがやぶれ、香取流かとりりゅうのなにがしがまた敗れ、いよいよ試合しあいがコジれだして、なにかただならぬ凶雲きょううんを、この結末けつまつまねきはしまいかとあんじられるほど
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここ龍泉寺山は、その直後に、かれの本陣となり、赤い夕陽の下に、二万余の新鋭が、いざ、主力と主力との雌雄しゆうを決せん——と、きょうの勝てる敵家康へ、雪辱せつじょくの意を示して、展開した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「姉川の敗北も、これで雪辱せつじょくしたというもの。幾らか、胸がはれた」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きょうこそ、きのうの雪辱せつじょくを」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)