雛児ひよっこ)” の例文
めえなんだ生若なまわけえ身で耳抉みゝっくじりを一本差しゃアがって、太神楽だいかぐら見たようなざまをして生意気な事を云うねえおッちゃア青二せいだ、鳥なら雛児ひよっこだ、手前達てめえたちに指図を受けるものか
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おくれた座敷は、若い背後うしろに控えて、動く処はさきへ立って目立たないように取り廻す、というのであるから、お茶屋の蔵のさきに目の光る古狸から、新道のねぐらを巣立ちの雛児ひよっこまで
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああマリユス! けしからん奴だ。大道でどなり立て、議論し、討論し、手段を講ずる! 奴らはそれを手段という。ああ、同じ紊乱びんらんでも今は小さくなって雛児ひよっこになってしまってる。
人の子のただしさは、この世の正義なんぞとはわけが違うからな。人の子はお前たちを世界の果ての暗闇の中へほうり込んでしまうのだ。ちょこまかした雛児ひよっこめら。そこにはただ泣き声と……
「なかなか、おいしい。天狗の雛児ひよっこ。——あなたも一つめしあがれ。」