陳述ちんじゅつ)” の例文
黒眼鏡はるるとして、船渠ドック以外の犯罪の事実までを陳述ちんじゅつした。それは、すこしも暗惨な気分のない、明るい話をするようだった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女たちも調べられたが、皆々昼間の疲れで熟睡したと申立てるばかりで、春ちゃんが殺された前後についての陳述ちんじゅつに、これぞと思う有力な事実が判明しなかった。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それと同じく役所や会社に勤務する者が上官や重役と異なる独特の意見を有するなら、かげでかれこれ言わずに第一着に社長なり長官なりに意見を陳述ちんじゅつすべきである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「まあ子どもが判事はんじの前へ出て、自分で陳述ちんじゅつするがいい」とかれは言った。
配所の父へ、それも告げたし、また一と目でも、父の無事な姿を見たい一念で、母のゆるしを得、はるばる島へ渡って来たという陳述ちんじゅつだった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三日間、のべつに取調とりしらべがつづけられ、目賀野が陳述ちんじゅつした重要事項は、次のようなことであった。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
検事けんじは二言三言で、罪状ざいじょう陳述ちんじゅつした。セント・ジョージ寺で窃盗事件せっとうじけんがあった。どろぼうはおとなと子どもで、はしごを登ってはいるために、まどをこわした。かれらは外へばんの犬をいた。
大江山捜査課長は油汗あぶらあせぬぐいとまもなく、水を浴びたような顔をして、縷々るる陳述ちんじゅつした。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と厳かに、まず彼の陳述ちんじゅつからさきに訊いたのであった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然し二三日後、喜多公がやっと口を開いた時には、こんな意外な陳述ちんじゅつがされていた。
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「戸浪三四郎さんから何か別な陳述ちんじゅつうけたまわりたいですが」
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
陳述ちんじゅつした。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)