除虫菊じょちゅうぎく)” の例文
原子爆弾は近代人類の希臘ギリシャ以来の物質の概念を変更した大発明であって、鳥の先生や除虫菊じょちゅうぎくの親玉と比較すべきものではない。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
この家のあるじは、よっぽど白い花が好きと見えて、空地と云う空地には、早咲はやざきの除虫菊じょちゅうぎくのようなのが雪のように咲いていた。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
草あやめの外には、芍薬しゃくやく、紫と白と黄の渓蓀あやめ薔薇ばら石竹せきちく矍麦とこなつ虞美人草ぐびじんそう花芥子はなげし紅白こうはく除虫菊じょちゅうぎく、皆存分に咲いて、庭も園も色々にあかるくなった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それは××胡同ことうの社宅の居間いま蝙蝠印こうもりじるし除虫菊じょちゅうぎく二缶ふたかん、ちゃんと具えつけてあるからである。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
遠くで初蛙はつがえるいた。白い除虫菊じょちゅうぎくの花もいた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)