間怠まだる)” の例文
一時間のうちにゆうに二番ぐらいは始末ができるくらいだから、見ていても局にむかっていても、間怠まだるい思いはけっしてないのです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
平生さえ然うだったから、いわんや試験となると、宛然さながら狂人きちがいになって、手拭をねじって向鉢巻むこうはちまきばかりでは間怠まだるッこい、氷嚢を頭へのっけて、其上から頬冠ほおかむりをして、の目もずに、例の鵜呑うのみをやる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
むこうで引きり出してくれたのだから、中途で動けなくなった間怠まだるさのない代りには、やっとの思いで井戸を掘り抜いた時の晴々せいせいした心持も知らなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)