長逝ちょうせい)” の例文
それについて、柿丘は遂に言葉をつぎたすことなく、二日後に長逝ちょうせいしてしまった。ここになみだなくしては眺めることの出来ないものがある。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
間もなく不量のことで負傷し、肋膜炎ろくまくえんを起してその年の冬、即ち一八九〇年十一月八日、多くの弟子達でしたちしまれながら、パリの宅に長逝ちょうせいした。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
春琴はこの時から怏々おうおうとして楽しまず間もなく脚気かっけかかり秋になってから重態におちいり十月十四日心臓麻痺しんぞうまひ長逝ちょうせいした。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
今朝の新聞を見ると、ヘボン先生は二十一日の朝、米国のイーストオレンジに於て長逝ちょうせいせられたとある。
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)