長揖ちょうゆう)” の例文
公園でも散歩しているような長閑のどかさがあると共に、立派な花崗の巨岩も峙ち、眼を上れば四周の大山岳は長揖ちょうゆうして吾を迎うるが如く、かくて山を恋うる心は
一行は荊州の城下に別れを告げ、やがて数里を来ると、ひとりの高士が彼の馬前に長揖ちょうゆうして告げた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
座敷の真中に坐せる主婦に鶏卵一つまいらする途中、客人を見て長揖ちょうゆうする刹那、屁をひりたくなり、つとめて尻をすぼめる余勢に、こぶしを握り過ぎて卵を潰し、大いにおどろいて手をゆるめると
女は口もとをおおってひそかに笑った。柳は長揖ちょうゆうの礼をとっていった。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
しかし堂に迎えられても、長揖ちょうゆうして拝すでもなく、すこぶる無作法に佇立ちょりつしているので
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
均は、そういうと、ただ長揖ちょうゆうして、立ち去ってしまった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、長揖ちょうゆうして立ち去った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)