鉄床かなとこ)” の例文
旧字:鐵床
『銅鍛冶は、其の仕事を続ける。形のない盤をとつて、ハンマアで少し叩いて、其の鉄床かなとこの上に、適当の形をつくりあげる。』
しからば帝食うただけの卵を出すべしとて、牛頭ごず人身じんしんの獄卒して、鉄床かなとこ上にしたる帝を鉄梁もておさえしむるに、両肩裂けて十余石ばかりの卵こぼれづ。
この写生図(図283)は、一軒の鍛冶屋を示している。人はしょっ中、うずくまった儘でいる。鉄床かなとこは非常に小さく、彼のつくる品物もまた小さい。図284は履物と傘とを売る店である。
ブーブーとふいごでコークスの火を燃やして、その中で真赤にした鉄を鉄床かなとこの中にはさみはさんで置いて、二人の男がトッテンカンとかわがわ鉄鎚てっついで叩いていた。叩く度にパッパッと火花が散った。
贋紙幣事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
病気や不幸やの鉄床かなとこの上で鍛えようと望んだにもせよ、あるいはまた彼らの同胞らが悩まされている隠れたさまざまの苦痛と屈辱との有様を彼らの心情が感じ識ったことによって引き裂かれ
鉄床かなとこにその鉄槌をしばらく置くが如き、屋根葺き屋が屋根を葺くのに、竹の釘を口に含み、我国の屋根葺きや挽物ひきもの細工師が同じようなことをする場合と同様に、素速く手を前後に動かすが如き