金剛杵こんごうしょ)” の例文
法を護る諸天善神達は絢爛けんらんなる甲冑にほこ、剣、戟、金剛杵こんごうしょ弓箭ゆみやにて働く。或は三面に八臂はっぴなるあり、或は一面に三眼を具するもある。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そして、左手に金剛杵こんごうしょを持ち、首へ珠数じゅずをかけてから、炉の中の灰を、右手の指で、額へ塗りつけた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
朦朧とした二尊の金甲神きんこうじんが、勇ましく金剛杵こんごうしょをふりかざしながら、影のような姿を現しました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
田能村竹田たのむらちくでんの「山中人饒舌さんちゅうじんじょうぜつ」とか、渡辺崋山の著書とか、竹洞ちくとうの「金剛杵こんごうしょ」とかいうあたりのものは、さすがと思われるが、前の本朝画纂を始め、ひどい出鱈目でたらめが、いかにも多い。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少し彩色は濃厚すぎますが、実に非凡の出来栄え、右手に金剛杵こんごうしょを持ち、左手に金剛鈴こんごうれいを執った慈悲の御姿みすがた美妙びみょうと言おうか、端麗と言おうか、あまりの見事さに平次もしばらくは言葉もありません。