金儲かねまうけ)” の例文
空嘯そらうそぶける侯爵「金儲かねまうけのことなら、我輩わがはいの所では、山木、チト方角が違ふ様ぢヤ——新年早々から齷齪あくせくとして、金儲かねまうけも骨の折れたものぢやの」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
合意の上で貸借して、それで儲くるのが不正なら、すべての商業は皆不正でないか。学者の目からは、金儲かねまうけする者は皆不正な事をしとるんじや
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「僕の父は金儲かねまうけと道楽が好きだつたが、性来うまれつき父に及ばない僕等兄弟は父の才能を二人で分担して、兄は金儲を、僕は道楽の方をる事にめてゐるのだ。」
大番頭は祿兵衞ろくべゑといつて、名前の通りむづかしい四十男、これは三右衞門に代つて店の支配をし、大勢の奉公人を取締つて居りますが、正直一途で、金儲かねまうけや商賣のことにかけては
いづれも五分十分にて中止を命ぜられしなりと云ふ、ことに最も滑稽こつけいなりしは、菱川が登壇開口、「戦争で第一に金儲かねまうけするのは誰だか、諸君、知つてますか」の一語いまだ終らざるに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)