野猪ゐのしゝ)” の例文
野猪ゐのしゝかたちぶた全身ぜんしん黒褐色こつかつしよくのあらいでおほはれてをり、くびみじかいのでけだすときゆうには方向ほうこうへられない動物どうぶつです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
鵜の目鷹の目油断無く必死となりて自ら励み、今しも一人の若佼わかものに彫物の画を描き与らんと余念も無しに居しところへ、野猪ゐのしゝよりも尚疾く塵土ほこりを蹴立てゝ飛び来し清吉。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
(熊の事は上巻にいへり)野猪ゐのしゝたけきゆゑ雪ふかくともやすからず、鹿しか羚羊くらしゝなどはよわきものゆゑ雪にはやすし。鹿はことさら高脛たかはぎなるゆゑ雪にはしる事人よりおそきにたり。