里人さとひと)” の例文
山の地勢ちせいと日のてらすとによりてなだるゝところとなだれざる処あり、なだるゝはかならず二月にあり。里人さとひとはその時をしり、処をしり、きざしるゆゑに、なだれのために撃死うたれしするものまれ也。
此時は里人さとひと幾十人をやとひ、かんじきすかりにてみち蹈開ふみひらかあとしたがつゆく也。此ものいり幾緡いくさしの銭をつひやすゆゑとぼしきたび人は人のみちをひらかすをまちむなしく時をうつすもあり。健足けんそく飛脚ひきやくといへども雪みちゆくは一日二三里にすぎず。