醜草しこぐさ)” の例文
この草庵を建てるので、草や木を刈ってみても、伸びて欲しい植物は伸びず、醜草しこぐさや邪魔な灌木かんぼくは、刈っても刈っても、はびこって仕方がない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「年々や桜をこやす花の塵」美しい花が落ちて親木おやきの肥料になるのみならず、邪魔の醜草しこぐさがまた死んで土の肥料になる。
草とり (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
「年々や桜をこやす花の塵」美しい花が落ちて親木おやきの肥料になるのみならず、邪魔の醜草しこぐさがまた死んで土の肥料になる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
長き日を歩みつづけて汗ばむ額も寺の庭に入れば新樹の風ただちにこれを拭ひ、木の根石の端に腰かくるも藪蚊やぶかいまだ来らず、醜草しこぐさなほはびこらざれば蛇のおそれもなし。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
よわき子はあめさす指も毒に病むさかえを祝へ地なる醜草しこぐさ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
時さらず、れがましさや、醜草しこぐさ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
伊丹一城の男ばらが、前代未聞の醜態をちまたさらした中にあって、ともあれ、醜草しこぐさの中にも花は花らしくと——一点の清香を放ったものであった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
耳無地蔵の足下あしもとなどに、さま/″\の他の無名草ななしぐさ醜草しこぐさまじり朝露を浴びて眼がさむるように咲いたつゆ草の花を見れば、竜胆りんどうめた詩人の言を此にもりて
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けがれてくさ醜草しこぐさ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
醜草しこぐさの いやはびこるも
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)