酒興しゅきょう)” の例文
ハハハハ……と、真面目な中に、酒興しゅきょうもふくみ、日ごろ以上の親しみも深めて、うち解けているていなのであった。
その幾年月いくとしつき人の酒興しゅきょうを助くる家業なりわいの哀れはかなき、その身の害とは知りながら客の勧むるさかずきはいなまれず
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
イヤ町人ゆるしてくれ、これはわしが悪かった、成程お前のいう通り吉原土手の色里へ参って長い物を差して、斬るのるのと云ったは、酒興しゅきょうの上とは云いながら大きに私が悪かった
自ら高くすのではないが、秀吉の平常の言そのままを以てすれば、半兵衛は左の腕と思うぞ、官兵衛はわが右腕だぞと、酒興しゅきょうのうちにもいっていた主人である。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは、まったく彼の意識なき衝動か、酒興しゅきょう発作ほっさではあったらしいが。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)