酒癖しゅへき)” の例文
そもそも私の酒癖しゅへきは、年齢の次第に成長するにしたがっのみ覚え、飲慣れたとうでなくして、うまれたまゝ物心ものごころの出来た時から自然に数寄すきでした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
父はボンの宮廷楽手で、性格が弱い上に酒癖しゅへきがあり、決して善良なる指導者ではなかった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
もとは或由緒のある剣客の思いものであったその伯母は、時代がかわってから、さる宮家の御者ぎょしゃなどに取立られていた良人おっとが、悪い酒癖しゅへきのために職をめられて間もなく死んでしまった後は
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この男は、悪友と酒癖しゅへきさえなければ、転回の余地がないという限りはない。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)