酒客しゆかく)” の例文
なほ次手に吹聴ふいちやうすれば、久保田君は酒客しゆかくなれども、(室生を呼ぶ時は呼び捨てにすれども、久保田君はいまだに呼び捨てに出来ず。)海鼠腸このわたを食はず。
田端人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
〔評〕長兵京師にやぶる。木戸公は岡部氏につてわざはいまぬかるゝことを得たり。のち丹波におもむき、姓名せいめいへ、博徒ばくとまじり、酒客しゆかくまじはり、以て時勢をうかゞへり。南洲は浪華なにはの某樓にぐうす。
これだけはいささか快とするに足る。なほ又次手ついでにつけ加へれば、北原君は底抜けの酒客しゆかくなれども、座さへうてくづしたるを見ず。わづかに平生の北原君よりも手軽に正体をあらはすだけなり。
田端人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)