ゆう)” の例文
滄客の家は頗るゆたかであった。年は四十になったところで二人あるこどものうち、長男の吉というのは、十七歳でゆうの名士となり、次男もまたりこうであった。
劉海石 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「十室のゆう、必ず忠信きゅうがごとき者あり。丘の学を好むにかざるなり。」という師の言葉を中心に、子貢は
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
わがふるさとは熊野の首ゆう新宮(シングウと読んで下さい)古来の名邑である。シンミヤだのニイミヤなどといえば人に笑われるだろうし、わたくしにはふるさとの感じがない。
新宮 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)