“通筋”の読み方と例文
読み方割合
とおりすじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また幕間で、人の起居たちいは忙しくなるし、あいにく通筋とおりすじの板敷に席を取ったのだからたまらない。膝の上にのせれば、またぐ。敷居に置けば、蹴る、脇へずらせば踏もうとする。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
駿府にはわざと泊らず、海近い焼津から一気に大井川を越えて、茶摘歌ちゃつみうた揚雲雀あげひばりの山道を見付みつけの宿まで来ると高い杉森の上に三日月が出たので、通筋とおりすじの鳥居前、三五屋というのに草鞋わらじを解いた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此処ここからはもう近い。この柳の通筋とおりすじを突当りに、真蒼まっさおな山がある。それへ向って二ちょうばかり、城の大手おおてを右に見て、左へ折れた、屋並やなみそろった町の中ほどに、きちんとして暮しているはず。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)