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辛々
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からがら
ふりがな文庫
“
辛々
(
からがら
)” の例文
いよいよ悪象ファッツに走り懸ると
彼奴
(
かやつ
)
今吐いた広言を忘れ精神散乱して杼も餅も落し命
辛々
(
からがら
)
逃げ走る、その餅原来尋常の餅でなく
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
新田義貞と北条勢とは、ここを先途と追いつ追われつしていた。足利尊氏が命
辛々
(
からがら
)
逃げたあともここを去ること遠くはない。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二人は小野田が数日のあいだに働いて手にすることのできた、少しばかりの旅費を持って、
辛々
(
からがら
)
そこを立ったのであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
見る見る蛇は中央の一艘を占領して、北見之守をはじめ、妻妾も家臣達も命
辛々
(
からがら
)
、比較的蛇の襲撃の少ない、他の二艘に引き揚げたのが精々でした。
新奇談クラブ:08 第八夜 蛇使いの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
婢
(
をんな
)
は命
辛々
(
からがら
)
迯了
(
にげおほ
)
せけれども、目覚むると
斉
(
ひとし
)
く
頭面
(
まくらもと
)
は一面の火なるに仰天し、二声三声奥を
呼捨
(
よびすて
)
にして走り
出
(
い
)
でければ、
主
(
あるじ
)
たちは
如何
(
いか
)
になりけん、知らずと言ふ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
秋月九十郎は命
辛々
(
からがら
)
逃げ廻りました。そして、一つ一つ物を失い、一枚一枚身の皮を剥ぎました。
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こうして命
辛々
(
からがら
)
で辷ったり泳いだりしているくらいだから、さしも自慢にしていた名物の書画も
骨董
(
こっとう
)
も顧みる暇はなく、思う存分に水をかけられて
転
(
ころ
)
がり廻ってしまいます。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
々
3画
“辛”で始まる語句
辛
辛辣
辛抱
辛棒
辛苦
辛夷
辛酸
辛気
辛子
辛防