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軌
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わだち
ふりがな文庫
“
軌
(
わだち
)” の例文
やがて——そう間もないうちに——五条口から
西洞院
(
にしのとういん
)
の大路を、キリ、キリ、とかすかな
軌
(
わだち
)
の音が濡れた大地を静かにきしんでくる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雲母坂
(
きららざか
)
を越えて斜めに降りてくる範宴の姿や、その他の迎えの人々が見え初めたのである。
輦
(
くるま
)
の
簾
(
れん
)
をあげて、牛飼は
軌
(
わだち
)
の位置を向きかえた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同じ
軌
(
わだち
)
を
泥上
(
でいじょう
)
にえがいて、宿業の車輪は、興亡、流転、愛憎、
相剋
(
そうこく
)
、
猜疑
(
さいぎ
)
、また戦争など、くり返しくり返し
止
(
とど
)
まるところがなかったのです。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
キキキ、キッ、と
軌
(
わだち
)
の音がどこからかしてくる。見ると、
日永
(
ひなが
)
の
遊山
(
ゆさん
)
に飽いたような牛が、一台の
輦
(
くるま
)
を曳いてのろのろと日野の里を横に過ぎて行く。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でも、
軌
(
わだち
)
の
痕
(
あと
)
はある。宮の牛車のまえにも誰かは通ったものだろう。やがて二条富小路の禁裡の内へ御車が消え入ったのは、すでに
初更
(
しょこう
)
(宵)の頃だった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
羗軍は負け色立つと見るや鉄の針鼠を無数に繰り出して縦横に血の
軌
(
わだち
)
をえがき、むらがる蜀兵を
轢
(
ひ
)
き殺しつつ、車窓から
連弩
(
れんど
)
を射放って、敵中
無碍
(
むげ
)
に走り廻るのであった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安禄山
(
あんろくざん
)
の叛乱に、兵車の
軌
(
わだち
)
のもとに
楊貴妃
(
ようきひ
)
を失った
漢皇
(
かんおう
)
が、のち貴妃を恋うのあまり、道士に命じて、魂魄をたずねさせ、道士はそれを、
上
(
かみ
)
は碧落の極み、下は黄泉にいたるまでさがしもとめ、遂に
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軌
常用漢字
中学
部首:⾞
9画
“軌”を含む語句
軌道
鉄軌
常軌
軌条
軌跡
不軌
鐵軌
螺旋式軌道
鐡軌
軌音
軌間
軌道上
軌路
軌條
軌条蹄鉄
軌幅
膝行軌
磊落不軌
無限軌道
無軌道
...