かね)” の例文
さうしてその目的を以つて君はかねこしらへてをるのぢやらう、なあ、さうすりやその貨さへ得られたら、好んで不正な営業を為る必要は有るまいが。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それから今一つの難渋は洗湯の高い事で、入浴料が日本のかねで一円二三十銭。
冬夜さりひとつ光れる手に載せて吹きて見よちふ吹けば飛ぶかね
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
俺が百万円を積んだところで、昔の宮はられんのだ! 思へばかねもつまらん。すくないながらも今のかねが熱海へ追つて行つた時のかばんの中に在つたなら……ええ‼
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
世の中はかねが有つたから、それで可い訳のものぢやありませんよ。まして非道をしてこしらへたかね、そんなかねが何のたのみになるものですか、必ず悪銭身に附かずです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)