讒口ざんこう)” の例文
義貞と自分との、年来にわたる確執かくしつを述べ、つまるところ、このようなはめになったのも、ひとえに佞臣ねいしん讒口ざんこうによるもので、その張本は義貞であるとし
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入道殿ほどの御仁ごじんがそのような讒口ざんこうに受けらるる筈はなし、かつは日頃から疑いの眼を向けている玉藻の訴えじゃで、まずよいほどに会釈して追い返されたそうなが
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
聖人しやうにん御名を善信ぜんしんと申て三十五歳の時讒口ざんこうかゝりて越後にながさる、時に承元しようげん元年二月なり。
 御若冠の時とは申ながら、賢者けんしやきこえある重臣の 菅公を時平大臣おとゞが一時の讒口ざんこうを信じ玉ひて其実否をもたゞし玉はず、卒尓そつじに菅公を左遷させんありしは 御一代の失徳しつとくとやいふべき。
聖人しやうにん御名を善信ぜんしんと申て三十五歳の時讒口ざんこうかゝりて越後にながさる、時に承元しようげん元年二月なり。
 御若冠の時とは申ながら、賢者けんしやきこえある重臣の 菅公を時平大臣おとゞが一時の讒口ざんこうを信じ玉ひて其実否をもたゞし玉はず、卒尓そつじに菅公を左遷させんありしは 御一代の失徳しつとくとやいふべき。