あやまち)” の例文
わたくしはしばしば人物の性格よりも背景の描写に重きを置き過るようなあやまちに陥ったこともあった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すなわち今日かぜひいたり熱が出たりしてグヅ/\して居るのは摂生法の上等に過るあやまちであるから、ただちに前非を改めると申して、その日からフラネルのシャツも股引ももひきも脱ぎ棄てゝ仕舞しまっ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
もし、綱一本の手違いがあったら、もし、畳み方一つにあやまちがあったら……。黒吉の体は木葉微塵となってしまうことは、火をるよりもあきらかなのだ——なんという恐ろしい仕事であろう。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)