記録レコード)” の例文
これは上方かみがた式にったのであろうが、東京の劇場内でいわゆる“女給”なるものを採用したのは、ここが新しい記録レコードといってよい。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
速力実に二十三ノット! 世界の潜水艦の中で、一番早い記録レコードだ。しかも、潮のながれに乗っているから、まるで矢のようにぐんぐん走る。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
種馬たねうまにはなりたいものさ。僕等は結婚式でも三日が精々だが、支配人の養子となると扱いが違う。二ヵ月はけだし世界中の記録レコードだろうね」
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
積み上げた記録レコードも、研究も、智識も多くは利用されずに、新しい人、乃至新しい現代にうづめられたまゝに引継がれて行く。
現代と旋廻軸 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
で、数ある本屋のなかで、チヤーチル物の売高うれだかにかけては、いつの月も記録レコードを取つてゐるのはこの本屋だ。
警察始まって以来の記録レコードといっても差支さしつかえない程、不思議千万な事実であった。さて、その男(それは伯爵家の書生の一人であった)の告白した所はこうなのである。
夢遊病者の死 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
此の分だと、一日十五枚といふ今迄の最高記録レコードを破つて、二十枚三十枚四十枚も書けるかもしれない。それを新聞社に賣つて受取る金高迄、淺ましくも想ひうかべた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
ぼんやりして居るんだい。明日は愈々予選会ぢやないか。今年が第二回目の戦なんだから、今度の成績で君の記録レコード、いや、この学校の名誉が永遠に定るんだ。僕も頼むからしつかりやつて呉れよ。
月下のマラソン (新字旧仮名) / 牧野信一(著)