要諦ようてい)” の例文
しかし、必ずともに、その女髪を見んとて、鯉口こいぐち三寸、押し拡げるでないぞ。抜かぬ剣、斬らぬ腕、そこが法外流の要諦ようていじゃ。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それにはわれわれがまず生徒となって勉強し、その勉強の上に立って指導する、その長所を発揮させる、これが指導の要諦ようていであろうと思います。
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
事物の固有法則をよく把握はあくし、その価値を最大限に発揮させながら、しかもそれを国家目的に適合させるということが、正に政治の要諦ようていなのである。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
一般の文章ならば、最も適切に分り易く表わすことが表現の要諦ようていである。この点小説の文章も変りはない。
本来刀を打つ要諦ようていは、身を守るために鍛えるのが主であって、人を切ろうという鍛法は従であるのに、どうしたことか初代の千子院村正せんじゅいんむらまさが切る一方の刀ばかりを打つので
「馬鹿言いたまえ。虚実の間をくのがスパイの要諦ようていなんだ。はっはっは。」
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
勇気をふるい反撥力を強め、堂々と活動せよ。成功の要諦ようてい其処そこにある。我輩は泣いたり恨んだり、慷慨悲歌こうがいひかの声をあげるような人間は嫌いだ。彼等はいずれも意気地のない口先ばかりの人間だ。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
全巻十三篇、すべて兵法の要諦ようていを説いたものらしい。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
モリスの数多くの論説におけるすべての要諦ようていは、すでにラスキンの論述したところであるのを見逃すことができぬ。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)