蝴蝶こてふ)” の例文
舞ふや蝴蝶こてふそで軽く、枯木も春の六花りくくわの眺めを、世にある人は歌にも詠み詩にも作り、月花に並べてたたゆらん浦山うらやましさよ、あはれ忘れがたき昔しを思へば、降りに降る雪くちをしく悲しく
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日影ひかげうらうらとかすみてあさつゆはなびらにおもく、かぜもがな蝴蝶こてふねむましたきほど、しづかなるあした景色けしき甚之助じんのすけ子供こどもごヽろにもたちて、何時いつよりはやにはにかけりれば、若樣わかさま、とかさずびて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)