蘆薈ろくわい)” の例文
巖頭に小さき塔ありて、美しき入江の景色の、遠く大小二島の邊まで見ゆる處より、蘆薈ろくわい、「ミユルツス」の間を通ずる迂曲うきよくせる小みちあり。
雲の彼方あなた蘆薈ろくわい花咲く故郷ふるさとへ、故郷ふるさとへ、ねえ、故郷ふるさとへ……。
北原白秋氏の肖像 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
桂枝けいし、はた、没薬もつやく蘆薈ろくわい
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すべてのさま唯だ一つの四阿屋あづまやめきたり。細きおばしまをば、こゝに野生したる蘆薈ろくわいの、太く堅き葉にて援けたり。これ自然のまがきなり。看卸みおろせば深き湖の面いと靜なり。
地になびく髪には蘆薈ろくわい
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その頂は天を摩し、所々僅に一石塊をるべき罅隙かげきを存じて、蘆薈ろくわい若くは紫羅欄あらせいとうこれに生じたり。