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薄野呂
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うすのろ
ふりがな文庫
“
薄野呂
(
うすのろ
)” の例文
「
焦
(
じ
)
れッてえな、武大さんときたら。だから世間でいうんだよ。
濞
(
はな
)
ッ垂らしの
薄野呂
(
うすのろ
)
だッて。——見ねえな、おらの顔や
手頸
(
てくび
)
を」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薄野呂
(
うすのろ
)
か何ぞのような眠たげな顔をして、いつ話のはずむと云うこともない小野田と親しくなるにつれて、不思議な意地と
愛着
(
あいじゃく
)
とがお島に起って来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
どっから刈りこんでいいか、ぼくは無茶苦茶に足の向いた所から分け入り、歩けた所だけ歩いて、報告する——てやがんだい。ぼくは
薄野呂
(
うすのろ
)
です。そんなんじゃあない。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ふん、
唐変木
(
とうへんぼく
)
の、
薄野呂
(
うすのろ
)
のこいつ等だって、馬鹿にすりゃあ、とんだ目を見るものさ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
かくてその
薄野呂
(
うすのろ
)
な人々は、国王や英雄らの室内劇をやっていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
ヤイ
薄野呂
(
うすのろ
)
! 間抜け野郎! そんな方へ行くと溺れるぞ! そっちは淵だ! 深い淵だ! ヤイヤイ小僧どこへ行くんだ! そんな方へ行くと
躓
(
つまず
)
くぞ! そこには大きな岩があるんだ! 何んというこいつは馬鹿なんだろう! 真っ直ぐに行きな真っ直ぐに。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「さては、
彼奴
(
きゃつ
)
よな。日頃からの
薄野呂
(
うすのろ
)
、何がと、油断していたのが、誤りじゃった。おのれ、今にみよ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
髯
(
ひげ
)
なんかはやして、あんなものにでれでれしているなんて、お前さんも
余程
(
よっぽど
)
な
薄野呂
(
うすのろ
)
だね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「だって旦那、人もあろうに、あれが
饅頭
(
まんじゅう
)
売りの
武大
(
ぶだ
)
ッていう
薄野呂
(
うすのろ
)
のおかみさんじゃござんせぬか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お庄が朝目をさますと、
薄野呂
(
うすのろ
)
のようなその按摩は、じっと坐ったきりまだ機械的に疲れた手を動かしていた。明け方から眠ったらしい叔母の蒼白い顔に、蚊帳の影が涼しく
戦
(
そよ
)
いでいた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「おふざけでない。やっとこ喰べるがせきの山の饅頭売りのくせにしてさ。こんな
甲斐性
(
かいしょう
)
なしの亭主ってあるかしら。ちッ、
薄野呂
(
うすのろ
)
の、おんぼろ宿六、勝手におしッ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ば、ばかなことを申せ。あんな、
薄野呂
(
うすのろ
)
な唖聾を隠したって何になるか」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、せいせいするよ。あんな、
薄野呂
(
うすのろ
)
がいなくなって」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
呂
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
“薄野呂”で始まる語句
薄野呂奴