けな)” の例文
が、彼は一概にこれを馬鹿馬鹿しいとけなしてしまうほどの生物識なまものじりでもなかった。市郎はあくまでも科学的にの怪物の秘密をあばこうと決心したのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
折に触れて洋楽に対する私の興味を語ると、「洋楽はトッピキピのピだ」と一言にけなしつけた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
折角の頼みだが目が悪いから書けないという、わしは医者だ、眼病には家法で妙な薬を知ってるが、何処の医者に掛ってるかというと向うで秋田穗庵に掛ったという時けなすのだ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「今のお前達が聞いたら、一口に迷信とか馬鹿々々しいとかけなしてしまふだらうが、その頃の人間、殊に女などはんなさうしたものであつたよ。」
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
この偏寄かたよった下層興味にしばしば誤まられて、例えば婦人を観察するにあたっても、英語の出来るお嬢さんや女学校出の若い奥さんは人形同様で何の役にも立たないと頭からけなしつけ
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
実はわたくしどもの持つ物ではございませんから、質屋の番頭だってけなしやがッて、わたしどもに有っちゃア仕方がねえ、煙管が何うも実に旦那不思議なんで、私にゃア分らねえが、銀だって云いやすが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「今のお前たちが聞いたら、一と口に迷信とか馬鹿々々しいとかけなしてしまうだろうが、その頃の人間、殊に女などはみんなそうしたものであったよ」
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人形芝居などというものは東京人の趣味に適さず、気の早い人はひと口に木偶でくの坊とけなしてしまうらしい。そうして、人間でも木偶の坊に劣る芝居のあることに気がつかないらしい。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)