葱嶺そうれい)” の例文
葱嶺そうれいゆるに毒風肌を切り、飛砂みちふさぐ、渓間けいかん懸絶けんぜつするにへば、なわを以てはしとなし、空にはしごして進む」
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
『隋書』に〈女国は葱嶺そうれいの南にあり、云々、樹神あり、歳初め人を以て祭り、あるいは獼猴を用いて祭る〉。
かの唐の太宗の命を受けて印度に向った玄奘三蔵げんじょうさんぞうが、流砂りゅうさを渡り葱嶺そうれいを越えた苦難の旅も、これほどではあるまいと思われた。三蔵のは求法ぐほうのための困苦である、それは自他の利益もあったであろう。