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草鞋掛
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わらじがけ
知らない旅客、荷を
負った
商人、
草鞋掛に紋附羽織を着た男などが
此方を
覗き込んでは日のあたった往来を通り過ぎた。
難儀だって程度問題、覚悟をしての
草鞋掛ででもあれば格別、何しろ湯あがりのぶらぶら歩き。
私達は
草鞋掛のまま炉辺で足を休めた。細君が
辣韮の
塩漬にしたのと、茶を出して勧めてくれた。
渇いた私達の口には小屋で飲んだ茶がウマかった。
見た
体は、
褪せた
尻切の茶の
筒袖を着て、袖を合わせて、手を
拱き、紺の
脚絆穿、
草鞋掛の細い脚を、車の裏へ、
蹈揃えて、
衝と伸ばした、
抜衣紋に
手拭を巻いたので、襟も隠れて見分けは附かぬ。