若黨わかたう)” の例文
新字:若党
その晩隣りの部屋に居たといふ島家の若黨わかたうの丑松と、隣の伜又吉といふのを呼んで、人眼の少ない縁側に相對しました。
掛たる爪折傘に草履取合羽籠等なり引續ひきつゞいて藤井左京も四人徒士にて長棒の駕籠にのり若黨わかたう四人黒叩き十文字もんじやりを持せ長柄傘草履取合羽駕籠等なり少しおくれて山内伊賀亮は白摘毛しろつみげの鎗を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから若黨わかたう中間ちゆうげんどもを調べたが、かれらは新參の渡り者で、勿論なんにも知らなかつた。次に女中共も調べられたが、彼等は初めてそんな話を聞かされて唯ふるへ上るばかりであつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
家に養ひ置わづかに兄弟二人の家内にして祿高ろくだか五百石を領し外に若黨わかたう二人下婢げぢよ一人中間小者共主從九人のくらしなり扨此喜内は學問を好み軍學武藝にも達し物がた生質せいしつなれば諸方より妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若黨わかたうの勇吉は、玄關の敷臺しきだいへ駈け込んで眼を廻してしまひました。
調とゝのへてやり其外劇場しばゐ見物花見遊山などにも同道して只管ひたすら氣に入るゝやうにぞ仕掛ける夫は偖置さておき爰に澤井友次郎夫婦ならびに若黨わかたう忠八は藤澤宿を立て其の日の中に江戸につきまづ馬喰町の宿屋に足を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)