若造わかぞう)” の例文
到る処に白首しらくびの店が、押すな押すなで軒を並べて、弦歌げんかの声、湧くが如しだ。男も女も、老爺じじい若造わかぞうも、手拍子を揃えて歌っているんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あんなひょろひょろした若造わかぞうにくらべては何とってもおみちにはおれのほうががある。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
天水桶てんすいおけぜたくらいの価値はその色の上において充分あらわれている。これからが化物の記述だ。大分だいぶ骨が折れる。天水桶の方に、突っ立っている若造わかぞうが二人いる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そんな若造わかぞうが、大それた……と慷堂は、あきれていたが
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
あの人相書とこの若造わかぞう
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
よく吾輩の処へ議論を吹っかけに来る江戸ッ子の若造わかぞうで、友吉とも心安い、来島くるしまという柔道家だったが、これも猿股一つになって、真黒な腕に浮袋を抱え込んでいた。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)