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花車
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きゃしゃ
ふりがな文庫
“
花車
(
きゃしゃ
)” の例文
紳士は背のすらっとした、どこか
花車
(
きゃしゃ
)
な所のある老人で、折目の正しい黒ずくめの洋服に、上品な
山高帽
(
やまたかぼう
)
をかぶっていた。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それから静三を
掬
(
すく
)
うようにして、前の方の席に乗せるのであった。詰襟の黒い服を着、細長いずぼんを穿いた笠岡はどこか敏捷で
花車
(
きゃしゃ
)
なところがあった。
昔の店
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
これを御本家
始
(
はじめ
)
御親類の御女中に言わせると折角
花車
(
きゃしゃ
)
な当世の流行を
捨
(
すて
)
て、娘にまで手織縞で得心させている中へ、奥様という他所者が舞込で来たのは
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
色若衆
(
いろわかしゅう
)
のような、どちらかといえば、職人向でない
花車
(
きゃしゃ
)
な体を、きまり悪そうに縁先に小さくして、
鷲
(
わし
)
づかみにした手拭で、やたらに顔の汗を
擦
(
こす
)
っていた。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
上品な額や、
花車
(
きゃしゃ
)
な
頤
(
おとがい
)
や、さては振分け髪を一束づつ載せた細りとした肩のあたりと云い、瓜二つどころか全く豆と豆との如くと云っても足りない位である。
少女
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
▼ もっと見る
セシルはやって来ては、彼女の
花車
(
きゃしゃ
)
な胸に、首筋の
頑丈
(
がんじょう
)
なその頭をもたせかけた。そして黙って涙を流し、彼女を抱擁し、それから笑いながら帰っていった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
昔はこれに沢山の
鉄金具
(
てつかなぐ
)
が附いて、それが立派な装飾でもありましたが、今出来のものがとかく見劣りするのは、その金具が弱々しく
花車
(
きゃしゃ
)
なものになったためでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そして、指の又の凝血を拭ふ女の
花車
(
きゃしゃ
)
な指つきを感じた。
麓
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
オリヴィエは
花車
(
きゃしゃ
)
な金髪の子で、父に似て背は低かったが、性質は父とまったく異なっていた。彼の健康は、幼いころたえず病気をしたために、ひどく痛められていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
花車
(
きゃしゃ
)
な都会の台所は、もうこれほどの大きな品を用いる力がありません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
けれど、変りやすい
花車
(
きゃしゃ
)
な顔、生き生きした小さな鼻、
初々
(
ういうい
)
しいやさしい微笑をもっていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
車
常用漢字
小1
部首:⾞
7画
“花車”で始まる語句
花車屋台
花車婆
花車方
花車人形
花車小屋
花車重吉