花々はなばな)” の例文
健康そうな、力みのある唇のはしがすこしばかりほころび、この荒れはてた小屋のなかでは、それが、新鮮な花々はなばなのようにも見えるのである。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おれだ! いっしょに約束やくそくをしたのに、さきにいったな。よし、かならずかたきってやるぞ。おれも、花々はなばなしくたたかって、じきにあとからいくからっていろ。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひとり、このはなばかりでなしに、諸国しょこくからここにあつめられた、それらのめずらしい花々はなばなも、みんな特色とくしょくうしなって、一よう街頭がいとうからかぜおくられてくるほこりをあたまからびて、おもてしろくなっていました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)