良否よしあし)” の例文
玉子の良否よしあしを択ぶのは必要な事ですが日本人は平生へいぜい食物問題に不注意だから玉子屋がいのも悪いのもんなぜて売っていますし、買う方も構わずに買います。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
目をねむっていてたださわっただけでも馬の良否よしあしが分るというほどに馬のことには詳しい。
一丁の墨、一箇のペンもその扱ひやうに依つては、充分に役立つに拘らず、何程の効も為さずして終つて了ふ。機械の如き、扱ひ方の如何、接する心がけの良否よしあしで非常な差を生ずる。
些細なやうで重大な事 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その扱き上げ扱き下げる間に茶やバタが摩擦されて一種の茶〔湯〕が出来るので、チベット人はその扱き上げ扱き下げる時の音の良否よしあしうまいのと不味まずいのとの出来るのが分って居ると言ってるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
よく世間の人は何処どこの牛肉屋がやすいとか高いとかいって肉の分量ばかりかれこれ申しますがあれこそ料理の趣味がない証拠で分量の多寡たかよりも品質の良否よしあしを選ばなければなりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
例へば、我が帽子、我が衣服の如きは我物であるから、如何どう扱つてもよいやうなものであるが、これを正当に扱ふには、やはり心の持ち方の良否よしあしがあつて、其処に違つた結果を生じる。
些細なやうで重大な事 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
牛乳の良否よしあしと代価の高下こうげは国家問題です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)