胸部きょうぶ)” の例文
博士を監視していた五十七ヶ国のスパイは、いずれも各自の胸部きょうぶに、貫通かんつうせざる死刑銃弾の疼痛とうつうにわかに感じたことであった。
六条は、突然右胸部きょうぶ焼火箸やけひばしをつきこまれたような疼痛とうつうを感じた。胸に手をやってみると、てのひらにベットリ血だ。とたんに彼ははげしくせんだ。
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「やはりこうして咽喉から胸部きょうぶを切開して食道から気管までを取出し、はしの方から充分注意して調べてゆかなけりゃ間違いが起るおそれがあるのだ。急がば廻れのことわざどおりだて」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さらばと云うので、彼氏は右手を少女の肩に、それから左手をしたから少女の胸に差入れて、グッとかかえ起した。少女の頭はガクリと胸に垂れ下った。ヌルリと滑った少女の胸部きょうぶだった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この装置は、さっき戸倉の胸部きょうぶ骨折こっせつを調べるために使ったものであった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)