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肱金
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ひじがね
ふりがな文庫
“
肱金
(
ひじがね
)” の例文
それでみると明らかに、鉄格子と
肱金
(
ひじがね
)
とはよく油が塗られていて、思ったよりしばしば開かれていたものらしい。その静けさは気味悪いものだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼は無言のうちに、扉の一方を力をこめて押してみた。扉は丈夫でよく締まっていて、
肱金
(
ひじがね
)
の上に
軋
(
きし
)
っただけで、少しも動かなかった。他にも一つ扉が、アンナの室とブラウンの書斎との間にあった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
大溝渠
(
だいこうきょ
)
の入り口の所で、最も意外なものに人々は出会った。その入り口は、昔は
鉄格子
(
てつごうし
)
で閉ざされていたのであるが、もう
肱金
(
ひじがね
)
しか残っていなかった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
家の中には何も物の
蠢
(
うご
)
めく気配もなかった。さびついた
肱金
(
ひじがね
)
の音はだれの眠りをもさまさなかったのである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
肱金
(
ひじがね
)
も
蝶番
(
ちょうつがい
)
も錠前もまんなかの合わせ目もなかった。鉄の箍は一方から他方へ続けざまにうちつけてあった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
ところがこんどは、
肱金
(
ひじがね
)
に油がきれていたので、突然闇の中にかすれた音がきしって長くあとを引いた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
破片はブリュジョンの寝台の上に落ちて、音を出さなかった。
驟雨
(
しゅうう
)
は雷鳴に交じって、扉を
肱金
(
ひじがね
)
の上に揺すぶり、監獄の中は好都合な恐ろしい響きに満ちていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして鉄格子は、酸化した
肱金
(
ひじがね
)
の上にめったに開閉された様子も見えず、石の
框
(
かまち
)
に厚い錠前で固定してあり、錠前は赤く
錆
(
さ
)
びて、大きな
煉瓦
(
れんが
)
のようになっていた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その日、人類の前景は変じた。ワーテルローは十九世紀の
肱金
(
ひじがね
)
である。その偉人の消滅は、一大世紀の出現に必要であった。人の左右し得ざるある者がそれを支配した。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
開いたりしめたりする
扉
(
とびら
)
の音、
肱金
(
ひじがね
)
の上にきしる鉄門の響き、衛兵らの騒ぎ、門監らの
嗄
(
か
)
れた叫び声、中庭の
舗石
(
しきいし
)
の上に当たる銃の床尾の音、それらのものが彼の所まで聞こえてきた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
明け方の風のように冷ややかな風が、あけ放したままの窓の
扉
(
とびら
)
をその
肱金
(
ひじがね
)
のうちに揺すっていた。暖炉の火は消えていた。
蝋燭
(
ろうそく
)
も燃えつきようとしていた。そしてまだ暗い夜であった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その他パリーの二十の街区やマレーやサント・ジュヌヴィエーヴの山などに、無数の防寨ができた。メニルモンタン街にあった防寨には、
肱金
(
ひじがね
)
からもぎ取られた大きな
門扉
(
もんぴ
)
が見えていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それらの鉄の扉の
肱金
(
ひじがね
)
、それらの鉄鎖、川の水がすれすれに流されているその高い軒窓、墓穴のように花崗岩の蓋がされて中の者に死者と生者との違いがあるのみのその石の箱、泥深いその地面
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「音のしねえように
扉
(
とびら
)
の
肱金
(
ひじがね
)
には
蝋
(
ろう
)
を引いて置いたか。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
肱
漢検準1級
部首:⾁
8画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“肱”で始まる語句
肱
肱掛椅子
肱枕
肱掛
肱掛窓
肱附
肱突
肱懸
肱鉄
肱鉄砲