聚合しゅうごう)” の例文
よく下民の聚合しゅうごうする寄席よせなどへ参ると、時々妙な所で喝采かっさいする事があります。普通の人がまゆひそめる所に限って喝采するから妙であります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小泉の宿しゅくには、この附近の寺院を相手にあきないしている家々や、河内かわちがよいの荷駄の馬方や、樵夫きこりや、野武士などかなり聚合しゅうごうして軒をならべていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恋愛によりて人は理想の聚合しゅうごうを得、婚姻によりて想界より実界にきんせられ、死によりて実界と物質界とを脱離す。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちり積って山をなすと云うから、微々たる一生徒も多勢たぜい聚合しゅうごうするとあなどるべからざる団体となって、排斥はいせき運動やストライキをしでかすかも知れない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)