耶蘇イエス)” の例文
右へ数えて五つ目が現場のへやだった。部厚な扉の両面には、古拙な野生的な構図で、耶蘇イエス佝僂せむしを癒やしている聖画が浮彫になっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
縛られた耶蘇イエスがピラトの前に引出されて罪に定められ、いばらかんむりを冠せられ、其面に唾せられ、雨の樣な嘲笑をびて、遂にゴルゴダの刑場に
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「御覧なさい、救世主として崇敬うやまはるゝ耶蘇イエスの御生涯を」と篠田は壁上の扁額がくを指しつ「馬槽うまぶねに始まつて、十字架に終り給うたではありませんか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
縛られた耶蘇イエスがピラトの前に引出されて罪に定められ、いばらかんむりを冠せられ、其おもてに唾せられ、雨の様な嘲笑を浴びて、遂にゴルゴタの刑場に
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
御承知のとおり、右手のものは『処女受胎の図』で、聖母マリアが左端に立ち、左手の『カルバリ山の朝』は、右端に耶蘇イエスを釘付けにした十字架が立っているのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし、ハインリッヒ・ゾイゼ(十三世紀独逸ドイツの有名な神学者)がしばしば見た耶蘇イエスの幻像と云うのは、その源が親しく凝視みつめていた聖画にあったと云いますがね。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
二人の盜人と相並んで死に就くまでの悲壯を盡した詩——『耶蘇イエスまた大聲に呼はりて息絶えたり。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
二人の盗賊ぬすびとと相並んで死に就くまでの悲壮を尽した詩——『耶蘇イエスまた大声によばはりて息絶たり。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)