としと)” の例文
どうしたものか、大寺が嫌ひで、としとつてからは大阪の烏鵲楼うじやくろうに引込んで、暢気のんきに膝小僧を抱いて暮してゐた。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
竜子はとしとった桑島先生の診察がいつもいやになるほど念入れであったのに引くらべて、岸山先生の診察ぶりのこれはまたあまり簡単過ぎるのに少し頼りないような気もして
寐顔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこにはNといふとしとつた洋画家が六朝の文字のやうに鯱子張しやちこばつて控へてゐた。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
そのシヤイエンの市街まちに一人のとしとつた小学校の校長が住んでゐる。