義母はは)” の例文
「お父上の立場もあります。親のいいつけでもあります。義母はは異母妹いもうとたちの気持もあります。……こんどはくときめました」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分の義母ははの身の上とは知らないで、そのままに照降町の店へ帰ると、日が暮れてから隠居所の女中が来て、御隠居さんがまだ帰らないという。
それでも、六十六の義母はははとにかく、云はば兄の厄介になつて好きなことばかりしてゐる梅代までが、それを見て見ぬふりをしてゐるとも云へる。
荒天吉日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「もしわたしがお前を育てなければ、お前はどこかの山か川に白骨になっているはずだったよ」と言った義母ははの言葉は忘られない。彼女は仕方なしに芸妓になったのだ。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
気に逆らつてもならぬからとて義母ははが手づから与へられし皮蒲団かはぶとんもらひて、まくらもとを少し遠ざかり、吹く風を背にして柱のきは黙然もくねんとしてゐる父に向ひ、静に一つ二つことばを交へぬ。
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
奥の間で信子の仕度を手伝ってやっていた義母はは
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
その義母ははの部屋へ、息子の於福おふくは今、そっと来て坐っていた。彼女は、ゆうべの悪夢のおびえからまだめないように、青白い顔して、病人のように寝籠ねこもっていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それと、義母はは義妹いもうとたちに対する父の苦衷くちゅうもある。もっと、大きな理由には、目代の山木判官とは、当然、不和になり、ひいては何かと、うるさい風聞うわさが京都へ伝わるであろう。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宗時は、父の怒りが、そのまま政子や義母ははにかかるのをおそれて、後から機嫌をとった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瑾は義母ははを励ました。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)