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繿縷
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ぼろ
ふりがな文庫
“
繿縷
(
ぼろ
)” の例文
繿縷
(
ぼろ
)
をまとうた蘇武の目の中に、ときとして浮かぶかすかな
憐愍
(
れんびん
)
の色を、
豪奢
(
ごうしゃ
)
な
貂裘
(
ちょうきゅう
)
をまとうた
右校王
(
うこうおう
)
李陵
(
りりょう
)
はなによりも恐れた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
想い出したついでに付記するが、後年フロールは結婚した相手に棄てられて、窮迫した身に
繿縷
(
ぼろ
)
を
纒
(
まと
)
うて私の銀行へ来て応分の助力を請うたことがある。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
河の中では猫背の老人のように見えた乞食も、こゝでは童顔をとゞめている若者として立ちはだかっています。
繿縷
(
ぼろ
)
にはなっているが兎に角、麻の着物であります。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
指さされた所を覗いて見ると、葛籠の蔭のところにひと塊りの
繿縷
(
ぼろ
)
切れがつくねられてあり、その真中の
窪
(
くぼ
)
みに、小さな薄紅い動物の仔が四五匹、ひくひくと
蠢
(
うごめ
)
いていた。
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
満腔
(
まんこう
)
の不平を
湛
(
たた
)
えて、かえって
嫣然
(
えんぜん
)
として天の一方を
睨
(
にら
)
むようになり得ると、こはいかに、薄汚い、耳の遠い、目の赤い、
繿縷
(
ぼろ
)
を
纏
(
まと
)
った婆さんが
杖
(
つえ
)
に
縋
(
すが
)
って、よぼよぼと尋ねて来て
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
繿縷
(
ぼろ
)
の腰巻を引擦り引擦り立ち上った。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
繿
部首:⽷
20画
縷
漢検1級
部首:⽷
17画
“繿縷”で始まる語句
繿縷錦
繿縷布片