糟谷かすや)” の例文
糟谷かすや西洋葉巻せいようはまきを口からはなさないのと、へたの横好よこずきにを打つくらいが道楽どうらくであるから、老人側ろうじんがわにも若い人のがわにもほめられる。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それは鎌倉時代の慧春尼けいしゅんにという人で、「比丘尼史」に依ると、尼の俗姓は藤原氏、相模の糟谷かすやに住み、容姿絶群であったという。
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
細君さいくんから手移てうつしにしつけられて、糟谷かすやはしょうことなしに笑って、しょうことなしに芳輔よしすけいた。それですぐまた細君さいくんかえした。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
鎌倉の世の頃に、相模さがみ糟谷かすやに生れ、容姿花のごとき美人だったが、年三十を過ぐるや、尼となって、無数の恋人を
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
糟谷かすや次男じなん芳輔よしすけじょれい親子おやこ四人の家族かぞくであるが、その四人の生活が、いまの糟谷かすやはたらきでは、なかなかほねがおれるのであった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
みると、隠岐ノ判官以下、糟谷かすや小鴨おがも、赤崎らの手勢、それぞれは烈しくって来るが、みな功名の争いに急で結束のつよさはない。……それに日々、山上のお味方は増しているし、一人の能登ノ介などに騒ぐには当らぬよ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元弘三年五月・執筆・糟谷かすや十郎
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)