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粗雑
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がさつ
ふりがな文庫
“
粗雑
(
がさつ
)” の例文
旧字:
粗雜
町幅のだだっ広い、単調で
粗雑
(
がさつ
)
な長い大通りは、どこを見向いても陰鬱に
闃寂
(
ひっそり
)
していたが、その癖寒い冬の夕暮のあわただしい物音が、
荒
(
さび
)
れた町の底に
淀
(
おど
)
んでいた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ふと異しい物音がした、キキと何かを引つ掻くやうな、……と思ふとまた性急に、然し
怖々
(
おづおづ
)
と、否寧ろ時折は
粗雑
(
がさつ
)
に
四肢
(
よつあし
)
で引つ掻きちらす
悪戯
(
いたづら
)
な爪の響——それが絶間もなくキキとキキと続いてくる。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そして遠慮なく膝を崩すような客に対する時の調子も、笹村が気遣ったほどには
粗雑
(
がさつ
)
でもなかった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
色々の思出を
辿
(
たど
)
ってみると、養父や養母に
媚
(
こ
)
びるために、物の一時間もじっとしている時がないほど、
粗雑
(
がさつ
)
ではあったが、きりきり働いて来たことが、今になってみると
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
新壁の隅に据えた、
粗雑
(
がさつ
)
な長火鉢の傍にぽつねんと坐り込んでいる母親の姿が、明け放したそこの勝手口からすぐ見られた。台所にはまだ世帯道具らしいものもなかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
帳場前の廊下へ出ると、そこから薄暗い硝子燈籠の
点
(
とも
)
れた、だだッ広い庭が、お庄の目にも安ッぽく見られた。ちぐはぐのような
小間
(
こま
)
のたくさんある
家建
(
やだ
)
ちも、普請が
粗雑
(
がさつ
)
であった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
職人達の口に、
嗄
(
か
)
れ疲れた話声が途絶えると、寝不足のついて廻っているようなお島の重い
頭脳
(
あたま
)
が、時々ふらふらして来たりした。がたんと言うアイロンの
粗雑
(
がさつ
)
な響が、絶えず裁板のうえに落ちた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
粗
常用漢字
中学
部首:⽶
11画
雑
常用漢字
小5
部首:⾫
14画
“粗”で始まる語句
粗
粗忽
粗末
粗相
粗朶
粗笨
粗略
粗漏
粗暴
粗壁