米倉こめぐら)” の例文
なーるほど、にこやかでほゝふくれてゐるところなんぞは大黒天だいこくてんさうがあります、それに深川ふかがは福住町ふくずみちやう本宅ほんたく悉皆みな米倉こめぐら取囲とりまいてあり、米俵こめだはら積揚つみあげるからですか。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
屋敷やしきまわりの大きな杉林はきりはらわれ、米倉こめぐらはとりこわされ、馬もいないうまやと、屋根に草がぼうぼうにはえた納屋なやがあるきりの、貧乏びんぼう百姓ひゃくしょうとなっていました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
家の裏手には納屋なやが二棟と、庭先の畑を越えては米倉こめぐらが一棟、庭には果樹や野菜がつくられていた。
叔父はうたいの会に出て行き、下男のこうは庭先の米倉こめぐら軒下のきしたで米をいており、部屋の中では、障子しょうじをしめきって、祖母が三味しゃみを弾いて叔母が踊りのおさらいをしていた。
若葉わかばがふっくらとしげった木々のあいだに、大きなわら屋根が見え、それから米倉こめぐらの白いかべが見えてきました。その白い壁は朝の日をうけて、あたたかそうにひかっていました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
それで、おっかさんのそばをそろそろとはなれて、米倉こめぐらの方へとぼとぼと歩いてきました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
市日の朝、私は、何か他の用事にかこつけて庭先の米倉こめぐら這入はいった。